一口に革と言っても牛革から馬革、ワニ革やダチョウ革など非常に幅広くあり、さらにはなめし方や仕上げによっても雰囲気が変わってきます。
目的や好みに合った革を選んでいくことで、よりものを使いこんでいく楽しみが増えるでしょう。
今回は、そんな革の種類について、原皮からなめし方まで紹介していきます。
革小物の愛好家として、色んな革を使ってきた経験からも紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
革と皮の違い
まず基本知識として革と皮の違いを紹介していきます。
- 革
→なめすなど加工をして製品として使える状態 - 皮
→動物からはぎ取ったそのままの状態
動物からはぎ取った皮をなめしたり加工を加えることで革となり、製品に使えるようになります。
原皮の種類
まずは原皮として、一般的な革とエキゾチックレザーに分かれます。
一般的な革:牛、馬、羊、豚などから作られます。滑らかで日常用品に多用されます。
エキゾチックレザー:ワニ、トカゲ、ヘビ、ダチョウなどの希少動物から作られ、独特の模様が特徴です。高価で高級品に使われます。
そういった違いがある上で、牛革やワニ革の特徴を紹介していくので、ぜひご確認ください。
牛革(カウレザー) ハラコ、カーフ、キップ、ステアハイド、カウハイド、ブルハイドなど
牛革は耐久性が高く、多目的に使用できます。
ビジネスバッグや靴、ジャケットに適しており、オールラウンドな革を求める方に最適です。
また牛革は雄や雌、生後何年かによっても変わってくるので、牛革について詳しく知りたい方は、以下もチェックしてみてください。
商品例 | ビジネスバッグ、靴、ベルト、ジャケット |
馬革(ホースハイド)
馬革は牛革より軽く、独特の光沢と耐久性があります。
細かいアイテムや高級靴に使用され、質の良い革製品を好む方におすすめです。
特にコードバンと呼ばれる馬のお尻部分の革が特に人気が高く、高級財布や革靴で使われています。
商品例 | 高級靴、財布、バッグ、馬具 |
豚革(ピッグスキン)
豚革は通気性が良く、柔軟性があります。
カジュアルなバッグや衣類に適しており、柔らかい革を好む方に向いています。
商品例 | カジュアルバッグ、衣類、靴 |
バッファロー(バッファローハイド)
厚みと耐久性があり、ラフな使い方に耐える革です。
アウトドア用品や頑丈なバッグに適し、実用性を重視する方におすすめです。
男臭い色気のあるレザーとなっていて、ウォーターバッファローの『ホワイツ セミドレス』なんかは耐久性と色気をあわせ持つワークブーツです。
商品例 | アウトドア用品、バッグ、ベルト、ワークブーツ |
山羊革(ゴートスキン)
山羊革は軽量で柔軟、細かいテクスチャが特徴です。
エレガントなアイテムや小物に適しており、独特の質感を求める方にぴったりです。
商品例 | エレガントな小物、手袋、バッグ |
羊革(シープスキン)
羊革は非常に柔らかく、軽量です。
上質な服や小物に使われ、柔らかい革を好む方に向いています。
商品例 | 高級服、薄手のジャケット、財布 |
ワニ革(クロコダイルレザー)
高級感があり、独特な模様が特徴です。
ラグジュアリーなバッグや靴に使用され、高級革としての地位を確立しているので、ステータスを求める方に最適です。
商品例 | ラグジュアリーバッグ、財布、靴 |
トカゲ革(リザードレザー)
細かい鱗のパターンがあり、独特の光沢を持つ革です。
アクセサリーや小物に使われ、ユニークなアイテムを求める方におすすめです。
商品例 | アクセサリー、小物、靴 |
蛇革(パイソンレザー)
個性的な模様が魅力で、装飾的なアイテムに適しています。
ファッションステートメントを作りたい方にぴったりです。
商品例 | ファッションアクセサリー、バッグ、靴 |
ダチョウ革(オーストリッチレザー)
独特の凹凸があり、耐久性と柔軟性を兼ね備えています。
個性的なバッグや靴に適し、ユニークな革を求める方に向いています。
商品例 | 個性的なバッグ、財布、ベルト |
鹿革(ディアスキンレザー)
非常に柔らかく、軽量で快適な着用感が特徴です。
高級衣類や手袋に適し、柔らかさと快適性を重視する方に最適です。
商品例 | 高級衣類、手袋、靴 |
革のなめし方による違い
動物からはぎ取った革を製品として使えるようにする作業の一つであるなめしですが、様々な方法があります。
- 植物性(ベジタブルタンニン)なめし
植物性のタンニンを使用し、耐久性があり、エイジングをより楽しむことができます。 - クロムなめし
硫化クロムを使い、柔らかく、水に強い革ができます。最も多く採用されているなめし方です。 - アルデヒドなめし
環境に優しい方法で、柔らかいものの熱に敏感です。 - コンビネーションなめし
植物性とクロムなめしを組み合わせ、それぞれの特性を活かします。
なめし方によっても、革の質感や雰囲気が変わってくるので、覚えていて今後革製品を購入する際にヒントとしていくと、より楽しむことができるでしょう。
革の仕上げの加工
皮はなめし→仕上げの加工という工程を経て製品化できるような革になります。
また加工がされていない革をヌメ革と言い、革本来の良さを楽しむことができます。
ここからは、仕上げの加工について紹介していきますので、こちらもぜひ参考にしてください。
染色
革に色を付けます。通常、なめし過程で行われます。
染色をすることで、ブラックやブラウンはもちろん、グラデーションカラーもあったりします。
染色はタンナーの腕の見せ所でもあるので、染色に注目して革を選んでも面白いでしょう。
コンディショニング
柔軟性を保ち、乾燥を防ぐために油やワックスを塗布します。
オイルを入れるとオイルドレザーと呼ばれ、ワークブーツなど耐久性が求められるものに採用されることが多いです。
表面処理
エンボス加工や研磨などで、異なる質感や光沢を作り出します。
表面加工は非常に様々な種類があり、主に以下のようなものが挙げられます。
エナメルレザー | 光沢のある表面が特徴で、その光沢はレザーに塗られる透明または着色のポリウレタンまたはアクリル系のコーティングによって生み出されます。耐久性があり、水や汚れに強いのが特徴です。 |
ガラスレザー | 表面が非常に滑らかで、光沢があるのが特徴ですが、エナメルレザーよりも自然な光沢を持ちます。この仕上げは、細かい研磨工程によって得られ、レザーの質感を保ちながらも独特の光沢を出します。 |
ブライドルレザー | 蜜やロウを染み込ませたレザー。伝統的な英国スタイルの革で、主に馬具や高級レザーグッズに使用されます。厚みがあり、しっかりとした手触りが特徴で、使い込むほどに独特の光沢と柔らかさが増します。耐久性に優れており、雨や汚れにも強いです。 |
スウェード | 革の内側(肉側)を起毛させたものです。柔らかく、温かみのある質感が特徴で、通気性も良いですが、水や汚れに弱いため注意が必要です。 |
ヌバック | 革の外側(表皮側)を軽く磨いて起毛させたものです。スエードよりも細かく、滑らかな質感があります。耐久性が高く、少々の水や汚れには強いですが、定期的なメンテナンスが必要です。 |
型押し | 革表面に熱や圧力を用いて特定のパターンや模様を刻む加工技術です。この方法で、革にクロコダイル、ヘビ、オーストリッチなどの自然界のテクスチャを模倣することが可能です。 |
銀付き革 | 革の表面の自然な質感とパターンが保たれている革を指します。この革は表面(銀面)の加工を最小限に抑え、革本来の風合い、質感、模様などを大切にしています。 |
カバンや財布、靴などの革製品も色んな種類の仕上げがされたものがあるので、ぜひこちらもご確認の上選んでみてください。
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まとめ
今回は、革の種類について紹介しました。
革製品は、色々複雑ではあるので、シンプルにデザイン性や実用性を楽しめるのも魅力ですが、色々知っていくとより深い魅力があります。
個人的には上品な光沢があって、牛革以外では比較的お求めやすいコードバン(馬革)が好きで、特におすすめできますので、ぜひコードバンの財布など検討してみてください。