イギリスは、革産業が非常に栄えていて、特に革靴の本場として、老舗の革靴ブランドが数多くあります。
世界最高の革靴ブランドと呼ばれるジョンロブをはじめ、エドワードグリーンやトリッカーズなど非常に長く愛され続けているブランドが多いです。
今回は、そんなイギリスの老舗革靴ブランドについて紹介していきます。
なぜイギリスの革靴ブランドがここまで愛されているのかといった部分についてまで紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
イギリスの革靴ブランドが愛されている理由
イギリスは、革靴の聖地として、世界的に愛されているブランドが非常に豊富です。
1600年代から靴作りに必要な革の原材料が豊富に得られたという説が有力で、靴を含め革製品の品質に定評があります。
またイギリス靴が愛される理由として、頑丈な作り、落ち着いたスタイル、そして製品として使ってこそ完成されるという考え方という部分があるでしょう。
イギリス靴はどのブランドも、長年使える品質に、落ち着いたデザインで、長く付き合っていけるものが多いです。
またイギリス靴には、製品としては使って完成されるという考え方があり、際立った美しさというよりは、シンプルで日常生活に寄り添ってくれるようなものが多く、実用性も非常に高いです。
また世界三大レザーの一つとされるブライドルレザーもイギリスでできたものとなっていて、イギリスは元々革産業としても栄えています。
まさに革靴大国とまで言え、今回紹介するブランドは、中でもイギリスを代表するブランドですので、ぜひチェックしてみてください。
イギリスの老舗革靴ブランド10選!
いよいよここから、イギリスの老舗革靴ブランドを紹介していきます。
今回紹介しているブランドは、定番として長年愛され続けている老舗のもので、品質も非常に高いので、気になるものがあったらぜひチェックしてみてください。
1.John Lobb(ジョンロブ)
最高の革靴ブランド!キング・オブ・シューズと言われ圧倒的な品質を誇る!
1866年にジョン・ロブ氏が創業した「JOHN LOBB(ジョンロブ)」は、ビスポーク靴のブランドとして長らく名高い存在でした。
しかし、1976年にエルメスの傘下となり、ジョンロブは二手に分かれました。ロンドンの店舗は「ジョンロブ・ロンドン」としてビスポークのみを扱い、エルメス傘下となった方は「ジョンロブ・パリ」として既成靴を中心に展開しました。
1982年にはジョンロブ(パリ)が登場し、ビスポークの技術を活かした最高品質の規制靴を作っています。
その結果、ジョンロブは既成靴ブランドとしてもトップの地位を獲得し、「キング・オブ・シューズ」と称されるようになりました。
腕時計で言うパテックフィリップ、車で言うフェラーリのように、革靴のトップブランドとして、世界的に高い支持を得ているブランドです。
2.Edward Green(エドワードグリーン)
独立ブランドとして圧倒的な支持を得ている実力派のブランド!
1890年にノーザンプトンで靴職人エドワードグリーン氏により始まった「エドワードグリーン」は、英国の代表的な革靴ブランドとして名高いです。
彼の繊細な技術と美の追求は、「英国でも稀代の靴職人」と称されるほどで、世界中で愛されています。
多くのブランドが大手下になる中、エドワードグリーンは独立ブランドとして経営を続けています。
創業時の信念「でき得る限りの上質を求める」を基に、美しいドレスシューズを提供しているブランドです。
代表的なモデルとしては、ストレートチップの「チェルシー」やUチップの「ドーヴァー」があります。
高品質の革と独特の履き心地、特に土踏まずの突き上げが特徴で、快適ながらも美しく、圧倒的な品質を誇るブランドです。
3.CHURCH’S(チャーチ)
まさに英国靴の代表格として、長年愛され続けているブランド!
1873年にチャーチ3兄弟により設立された「チャーチ(Church’s)」は、英国靴の界隈でも特に長く愛され続けているブランドです。
左右の違いを持つ量産靴や、ハーフサイズ刻みのサイズを初めて導入するなど、多くの先駆的な取り組みを行ってきました。
特に「チェットウィンド」は、英元首相トニー・ブレア氏が愛用するなど、ブランドの代表的なモデルとして知られています。
その品質は、1足を作るのに8週間と250の工程を経ており、このクオリティは世界的にも認められ、エリザベス女王からも表彰を受けた信頼性も高いブランドです。
1999年にプラダによる買収後も、ブランドの伝統を保ちながらも新しいスタイルのモデルを出しています。
さらに、映画ジェームズ・ボンドでも使用されるなど、英国の代表的なブランドとしての地位を築いています。
4.JOSEPH CHEANEY(ジョセフチーニー)
スタンダードなかっこよさ、そして高い堅牢性を持ちつつも比較的お求めやすく、非常に優れたブランド!
1886年にジョセフ・チーニー氏が設立した「ジョセフチーニー」は、1964年にチャーチに買収され、その後1999年にチャーチと共にプラダに吸収されました。
しかし、2009年にプラダから独立し、チャーチの創業家が再びチーニーの経営を引き継ぎました。
このブランドは「コストパフォーマンスの高い英国靴」として知られ、伝統的な英国の靴作りを基調にしながらも、さまざまなモデルを展開してきました。
もちろん安くはないものの、高級革靴としての品質を持ち、スタンダードで使いやすいデザインながらも10万円を切るものがほとんどで、コストパフォーマンスは良いと言えるでしょう。
特に、オールドチャーチのラストを用いたモデルや、2010年からの「インペリアル・コレクション」は多くの支持を受けています。
近年では、代表的なモデルとして「アルフレッド」や「フェンチャーチ」、「ケンゴン」などがあり、そのシンプルで使いやすいデザインが特徴として挙げられます。
(2024/10/05 23:08:41時点 Amazon調べ-詳細)
5.GAZIANO&GIRLING(ガジアーノ&ガーリング)
圧倒的な実力で2006年創業ながらも、トップレベルのブランドとして支持されている!
2006年にエドワードグリーンの元ビスポーク責任者、トニー・ガジアーノ氏とビスポークの名職人ディーン・ガーリング氏によって創業された「ガジアーノ&ガーリング」は、短期間で英国靴業界のトップブランドに躍り出ました。
創業者の名前がブランドの由来となっており、2014年にはロンドンのサヴィル・ロウに直営店を開店し、ケタリングに新しい自社工場も設立しました。
このブランドは、ビスポークの要素を取り入れた既製靴を提供することで、独自のアイデンティティーを築いています。
その高いクオリティとデザインは、代表的なローファー「アンティーブス」や上級ライン「DECO」などで確認することができます。
価格はかなり高価ですが、その分作りは最高品質となっていて、革新的でありながらも伝統を尊重するブランドとして、非常に優れています。
6.Crockett&Jones(クロケット&ジョーンズ)
イギリスを代表する靴メーカーとして、優れたラストを持つブランド!
1879年にノーサンプトンでジェームズ・クロケットとチャールズ・ジョーンズ氏によって設立されたクロケット&ジョーンズは、イギリスを代表する靴メーカーとして知られています。
初めての直営店を1997年にロンドン、翌年にはパリにオープンし、その名は世界中に広まりました。特に、No.337ラストやNo.348ラストなど優れたラストを開発し、注目を集めました。
2017年にはプリンス・オブ・ウェールズのロイヤルワラントを受け、品質の証明として映画007シリーズを始めとする多くの映画やファッションブランドで採用されています。
「クロケット&ジョーンズ」の靴は200以上の工程を経て、約8週間で製造されるという徹底した品質管理の下、生み出されています。
イギリス靴らしいクラシカルなデザインに、クラフトマンシップを感じられるブランドです。
7.Tricker’s(トリッカーズ)
ファッション好きからの人気も高い英国でも特に老舗の革靴ブランド!
1829年創業の「Tricker’s」は、英国の老舗シューメーカーとして知られ、王室御用達の上品な靴ブランドです。
ジョセフ・トリッカー氏が設立し、今もその子孫が伝統を守りながら、上質なレザーでのドレスシューズを手掛けています。
特に、一足の靴を一人の職人が丹念に仕上げるベンチメイドスタイルは多くの支持を受けています。
チャールズ皇太子や故ダイアナ妃も愛用しており、その品質はロンドンの直営店に掲げられた王室御用達の紋章で証明されています。
ノーサンプトン最古のグッドイヤーウェルテッド工場としても知名度が高く、現在ではカントリーブーツやシューズが特に人気です。
現代のファッションアイコンとしても非常に価値のあるブランドです。
8.SANDERS(サンダース)
軍の式典などにも使われるミリタリーシューズとして、武骨な雰囲気も!
1873年にウィリアムとトーマスのサンダース兄弟により英国ラシュデンに設立された「サンダース」は、140年以上の歴史をもつ老舗革靴ブランドです。
ファミリービジネスとして4代目が90人以上の職人とともに、グッドイヤーウェルト製法にこだわった高品質な靴を製造しています。
英国王室御用達の証として、エリザベス女王のクラウンを製品に刻印する特権を持つ数少ないブランドです。
また、多数の著名ファッションブランドへのOEM生産や英国国防総省への納入実績があり、ミリタリー色の強いコレクションが特徴です。約半分の製造ラインは官庁向けに割り当てられており、外羽根の短靴やブーツが代表商品として知られています。
2006年には日本にも進出。現在、サンダースの靴は30カ国以上で愛用され、世界中にその名声が広がっています。
9.Grenson(グレンソン)
スーツなどの服装を引き立てる名脇役としての靴作りを追求し、まさにファッションに馴染んでくれる!
1866年、ウィリアム・グリーン氏によりノーザンプトンで創業された「グレンソン」は、英国の老舗革靴ブランドです。
1974年の映画「華麗なるギャツビー」への製品提供でも知られています。
2010年にティム・リトル氏が経営権を取得し、製品のモダナイズ化を果たしました。
代表的なモデルには内羽根フルブローグがあり、G-ONE/G-TWOなどのラインで展開されています。
カントリースタイルの靴からスーツにも合わせやすい革靴まで、メンズからレディースまで幅広く手がける総合シューズブランドです。
ブランドの特徴として、目立たせるのではなく、スーツなどの服装を引き立てる名脇役としての靴作りを追求しています。その高品質は、多くのビジネスマンや若者に支持され、日本を含む世界中で愛用されています。
10.Loake(ローク)
100年以上の歴史ある老舗ブランドでありながら、リーズナブルなラインもある魅力的な英国ブランド!
1880年にトーマス、ジョン、ウィリアム・ロークの3兄弟によってノーサンプトンで設立された「ローク」は、由緒正しき英国紳士靴メーカーとして100年以上の歴史を誇ってます。
また、2007年には英王室御用達(ロイヤルワラント)にも認定される名誉を受けたブランドです。
ロークは、高品質ながらもリーズナブルな価格での展開が特徴で、様々なラインを取り揃えております。
代表的なものとして「LOAKE 1880 CLASSIC」や「LOAKE 1880 COUNTRY」、そして「PROFESSIONAL」などがあります。
価格帯もCLASSICで6万円程度から、リーズナブルなラインでは3万円台と、初心者の方にも取り入れやすいのも魅力です。
イギリスの老舗革靴ブランド比較表
ここまで様々なイギリスの老舗革靴ブランドを紹介してきましたが、ここで振り返ってまとめて見てみましょう。
今回紹介したブランドは、ほとんどが100年以上の歴史がある老舗ブランドですので、間違いないモデルとなっています。
イギリスの老舗革靴ブランド | 詳細 |
1.John Lobb(ジョンロブ)
|
最高の革靴ブランド!キング・オブ・シューズと言われ圧倒的な品質を誇る!
|
2.Edward Green(エドワードグリーン)
|
独立ブランドとして圧倒的な支持を得ている実力派のブランド!
|
3.CHURCH’S(チャーチ)
|
まさに英国靴の代表格として、長年愛され続けているブランド!
|
4.JOSEPH CHEANEY(ジョセフチーニー)
|
スタンダードなかっこよさ、そして高い堅牢性を持ちつつも比較的お求めやすく、非常に優れたブランド!
|
5.GAZIANO&GIRLING(ガジアーノ&ガーリング)
|
圧倒的な実力で2006年創業ながらも、トップレベルのブランドとして支持されている!
|
6.Crockett&Jones(クロケット&ジョーンズ)
|
イギリスを代表する靴メーカーとして、優れたラストを持つブランド!
|
7.Tricker’s(トリッカーズ)
|
ファッション好きからの人気も高い英国でも特に老舗の革靴ブランド!
|
8.SANDERS(サンダース)
|
軍の式典などにも使われるミリタリーシューズとして、武骨な雰囲気も!
|
9.Grenson(グレンソン)
|
スーツなどの服装を引き立てる名脇役としての靴作りを追求し、まさにファッションに馴染んでくれる!
|
10.Loake(ローク)
|
100年以上の歴史ある老舗ブランドでありながら、リーズナブルなラインもある魅力的な英国ブランド!
|
※タップすると該当箇所に移動します
この記事を読んでいる方に人気の記事
革小物専門サイトとして、特に優れた革製品や革靴を紹介していますので、ぜひ以下の記事も見てみてください。
まとめ
今回は、イギリスの老舗革靴ブランドを紹介しました。
イギリスの革靴ブランドを簡単にまとめると以下の通りです。
- トップと言われているブランド
→John Lobb(ジョンロブ) - 品質の高さに定評がある
→Edward Green(エドワードグリーン) - 特に定番として人気
→CHURCH’S(チャーチ)
特に上記のブランドは、非常に人気が高く、地位も高いものとなっていますので、気になるものがあったら、ぜひチェックしてみてくださいね。