革の豆知識

世界三大レザーとは?【革の違いを理解して経年変化を楽しもう】

「コードバン」「ブライドルレザー」「イタリアンレザー」が世界三大レザーと呼ばれ、どれも非常に魅力的なレザーで、深い歴史を持ちます。

今回は、そんな世界三大レザーについて、それぞれの魅力や特徴を紹介していきます。

どれも革好きとしては欠かせない、魅力のあるレザーとなっているので、よりレザーを深く知り楽しむためにもぜひチェックしてみてください。

 

世界三大レザーについて

世界三大レザーについて

世界三大レザーとして称される「コードバン」「ブライドルレザー」「イタリアンレザー」は、それぞれ異なる特徴と魅力を持つ革です。

それぞれの革の特徴や魅力について詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

コードバンについて

コードバンの簡単なまとめ
  • 馬の革を使用して作られる。
  • シルクのような繊細な光沢を持つ。
  • 極めて稀少度が高い。
  • 緻密で強靭な繊維構造を持つ。
  • 主に財布や靴などの小さい革製品に使用される。

コードバンは馬の革を使用し、シルクのような繊細な光沢と耐久性を持つ最高級の革として知られています。

この革は農耕用馬の臀部から採取され、主に革靴や鞄、財布などの製品に使用されています。

コードバンの名前の由来は、イスラム期スペインのコルドバ地方の高級なめし山羊革に似ていることから来ているといわれています。

コードバンの最も特徴的な部分は、その繊維構造です。縦に並んだ整然とした繊維が、質感をなめらかでしっとりとさせています。

また、一般的な革と比べて耐久性が高く、使用するうちに「浮き」という現象が起こりにくいのも特徴です。

しかし、引っ張り強度は牛革の半分以下となっており、裂けやすい場合もあります。

水分が付着するとコードバンの光沢が失われることがあるため、注意が必要です。

しかし、傷が浅ければ見えなくすることができ、艶を保つことができるのもコードバンの魅力の一つです。

この革は「革の宝石」とも称され、その希少性から「革のダイヤモンド」や「幻の革」とも呼ばれています。

コードバンの生産に携わるタンナーは世界的にも少なく、アメリカのHorween社や日本の新喜皮革などが有名です。

これらのタンナーは、長年の経験と伝統的な技法を持ち、高品質なコードバンを生産しています。

コードバンは、その美しさと耐久性から多くの人々に愛されており、高級なアイテムとしての位置づけがなされています。

その特徴と魅力を理解することで、コードバン製品の価値をより深く感じることができるでしょう。

ブライドルレザーについて

ブライドルレザーの簡単なまとめ
  • 英国発祥の乗馬文化から生まれた革。
  • 表面に「ブルーム」という白い粉が吹いている。
  • 撥水性と耐久性を持つ。
  • 経年変化を楽しむことができる。
  • 使い続けることで光沢が深く美しく増していく。

ブライドルレザーは、その名前が示すように、馬の手綱や馬勒などの馬具に使用されるための革として英国で発展してきました。

この革は、特に耐久性と撥水性に優れており、乗馬の際に使用する馬具としての役割を果たすための特性を持っています。

ブライドルレザーは、その硬さと質感から、型押しにすることが難しいとされています。しかし、一部のブランド、例えばWhitehouse Coxなどは、ブライドルレザーの型押し製品を扱っています。

このような特性から、ブライドルレザー製品は、シンプルでありながらも高級感があり、長く使用することで革本来の風合いや光沢を楽しむことができます。

ブライドルレザーの生産には、特定のタンニンを使用してなめしを行うことが特徴的です。

このため、ブライドルレザーは他の革とは異なる独特の風合いや質感を持っています。

特に有名なのは、イギリスのセジウィック社(J&E Sedgwick社)で、この社は歴史のある名門タンナーとして知られています。

イギリスのブランドでは、Whitehouse Cox、エッティンガー、グレンロイヤルなどが、ブライドルレザー製品で知られる英国御三家として名高いです。

これらのブランドは、ブライドルレザーの特性を活かした高品質な製品を提供しており、多くの愛好者に支持されています。

ブライドルレザーは、その耐久性と美しさから、長く使用することでさらに風合いが増すとされています。

このため、ブライドルレザー製品は、長く愛用することで、その魅力をより深く感じることができるでしょう。

イタリアンレザーについて

イタリアンレザーの簡単なまとめ
  • イタリアの伝統技法「バケッタ製法」で作られる。
  • 美しい発色とツヤ感が特徴。
  • 使い続けることで柔らかく手に馴染む。
  • 耐久性があり、経年変化を楽しむことができる。
  • 伝統技術を受け継ぐ職人の手で作られる。

イタリアンレザーは、その名の通りイタリアで製造される高品質の皮革を指します。

イタリアは、革製品の製造において長い歴史と伝統を持っており、特にフィレンツェ州のサンタクローチェ地方で作られる牛革は、世界中でその品質と美しさで高く評価されています。

イタリアンレザーの特徴は、柔らかくしっとりとした手触り、オイルを含んだ耐久性、そして色ムラやシミが個性的であることです。

また、使用するうちに風合いが変化し、独特の艶やかさを増していくのも魅力の一つです。

このような特性は、ベジタブルタンニン鞣しという製法によるもので、植物のタンニンを使用して革を鞣すことで得られます。

イタリアは、EUの革生産の約60%を占めており、世界的にもその影響力は大きいです。

20世紀初頭には、Prada、Gucci、Ferragamoなどの世界有数のファッションブランドがイタリアンレザー製の革製品を販売し始め、その名声を不動のものとしました。

イタリアンレザー製品は、その高品質と美しさから、多くの人々に愛されています。

その特徴と魅力を理解することで、イタリアンレザー製品の価値をより深く感じることができるでしょう。

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まとめ

今回は、世界三大レザーと呼ばれる「コードバン」「ブライドルレザー」「イタリアンレザー」について紹介しました。

どれもそれぞれ違った魅力があり、違いをしっかり分かっておくだけでも、より革を楽しむことができます。

財布や靴、カバンなどにも使われている革ですので、ぜひ特徴を覚えて、より革を楽しんでくださいね。

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